VALU(バリュー)という最近出たサービスをご存知でしょうか?
これは、会社ではなく個人が「株式のようなもの=VA」を発行できるサービスです。
いわば個人が自分の株を上場するようなモノ。
上手に使えば、VAを発行した人が資金を調達するのにも使えます。
これだけでは普通のクラウドファウンディングと同じですが、VALUではVAを第3者同士が自由に売買をすることが出来ます。また、VAの発行者は所有者に対して、何らかの還元をすることが出来ます。ここが株式と似ている点です。
しかし一般的な株式では、株の保有者が会社の所有者になりますので、経営者に対してモノを言ったり、会社が倒産した際に残った財産を得ることが出来たりしますが、VALUで発行できるVAはそのような権利は発生しません。
あくまでも上場した人に賭ける、ある意味人気投票のようなモノではないかと思います。
そして、VALUの面白い点が「ビットコインで人のVAを売買する」という事ですね。
日本円ではなくビットコインと言う点が今までになくユニークな点でした。
そんなVALUですが、8月15日にVALUの知名度を一気に上げる事件が起きました。
YouTuberヒカルの騒動
人気YouTUberであるヒカル氏は、自身のVAを発行後、VAの価格を釣り上げるために「優待」を付けると発表すると、彼のVAの価格は更に値上がりしました。
しかしその段階でヒカル氏や周りの人間はヒカル氏のVAを全て売却。
ヒカル氏のVAの価格は暴落しました。
詳しくは以下の動画をご覧ください。
おかげで天井で購入した人たちはまんまと騙された形となって、含み損を抱える結果に。
ヒカル氏の事を信じていた人たちは大きな落胆と共にネットで騒ぎ出して「炎上」することになりました。
ヒカル一団の行為は犯罪なのか?
今回のヒカル一団の行為が本当の上場株式で行われた場合は、明らかにインサイダー取引になります。
しかし、VALUは金商法で定められた金融商品でもないために、やっていることは事実上「インサイダー」であっても、インサイダー取引には該当しません。
弁護士YouTuberによると、これは詐欺罪に該当する可能性もあるそうです。
この件においてヒカル氏が責められていますが、私はしっかりとした規則を設けていないVALU側にも問題があると思います。
VALUのしくみについては、簡単に価格を釣り上げることが出来る点も問題視されていたようです。
このような金融商品まがいのモノを利用する人全てが「悪意が無い」わけではありません。
中には今回のようにルールのスキを突いてお金を儲けようとする人も出てくるのです。
ザルだらけの怪しい投資にには気を付けよう
「個人が株式のようなモノを発行し、ビットコインで取引する」と言うのは斬新です。
しかし、斬新であるがゆえに法整備も付いてきておらず、悪用しようとする頭の良い人間にお金をむしり取られるリスクもあります。
こんご仮想通貨の普及に伴って、このようなサービスは爆発的に増えると予想されます。
注意しておくべきでしょう。
ヒカル氏のその後
ヒカル氏はこの炎上を受けて「過去最高値でVALUを買い戻す」と発表しました。
全てのビットコイン(5465万円相当)を使って自社株買いを行います! pic.twitter.com/FY2LqvqKnT
— ヒカル (@kinnpatuhikaru) 2017年8月16日
炎上の火消しの為なのかどうかは分かりませんが、一応この対応で損した人たちも救われることにはなりますね。
今回の件で世間にVALUの名前が広まりました。
しかし、決していい意味で広がったわけではありません。
しっかりとルールが定まっていない投資商品まがいのモノには注意をしていくべきでしょう。
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